ここ数年(?)、デザイン思考やデザイン経営、ライフデザインなど、“デザイン”がつく言葉を目にする機会が増えてきた気がします。
よく聞く言葉って、なんとなーくわかったような気になってしまって、その意味を深く考えることが少なくなってしまうことに怖さを感じます。
デザインとはいったい何なのか、いいデザインとはいったい何なのか・・・を考えてみました。
デザインの目的はなんなのか
そもそもデザインの目的とはいったい何なのでしょう。
単刀直入にいうと、僕はデザインの目的は「課題を解決する」ということだと考えています。
広告デザインにおいて解決されるべき課題には、集客や認知の拡大、イメージ向上などいろいろなものがありますが、どの課題の解決のためにも欠かせないのが「伝える」ということ。
伝えるモノは“情報”であったり“感情(印象)”であったり状況に応じて様々です。
たとえば身近な広告のひとつであるチラシは、“新規開店などの情報”や“得られる感情(印象)”を多くの人に伝えたいという課題を解決してくれるのです。
他にも、日常で何気なく使っている包丁。
包丁は“食材を小さく分けるのが難しい”という、ちょっとした不便を解消してくれます。これらは生活における課題が解決されるように設計されたデザインなのです。
いいデザインとはいったい何か
つまり、いいデザインとは“課題を解決できるデザイン”だと思うのです。
広告で考えると、課題を解決するためにまずは“伝わる”ことが大前提なので、いいデザインとは“伝わるデザイン”です。
どんなにキレイにまとまったデザインも、伝えるべきことが伝わらなければ広告としての役割が果たされません。逆に手書きでメモ帳に書いたメッセージでも、伝えるべきことが伝えるべき人に届くのであれば広告としては立派に役割を果たしていると言えるのではないでしょうか。
むしろ手書きのメモのほうが強く伝わる場合だってありますよね。
話が少しそれますが、じゃあ「いいデザイナー」とはどんなデザイナーでしょうか。
これにはいろんな考え方があると思いますが、絶対的に欠いてはならないと僕が思うのは、課題を解決するための“スキル”や“知識”、“責任感”を持っていること、これに尽きると思うのです。
デザインソフトが使えたり、おしゃれなあしらいやグラデーションを駆使して整った絵柄を作ることだけがデザイナーの仕事ではないと思うのです。
デザインの正体
ここで、「デザインとは一体なんなのか」に話を戻します。
ぼくが考えるデザインとは「課題を解決するための手段、またはその設計」です。
決して「見た目を整えること」ではありません。
もちろん見た目がいいに越したことはありません。しかし見た目の良し悪しは、見る人の主観に左右されるのでデザインの判断基準にはなり得ません。デザインの良し悪しはあくまでも「課題を解決できるかどうか」なのです。
課題を解決するために、伝えるために、「どんな人に見せて」「見た人にどう思わせるか」「何を伝えるか」を設計するのが広告デザインだと思うのです。
では、いいデザインをするためには何が必要なのか。
課題を解決するために必要なスキルとはどういうものなのか。
それはまた別のブログで考えてみようと思います。
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